このページでは、「会社が破産する場合、代表者も破産を申立てる必要があるか」「会社の代表者個人が破産申立てをする場合に、その会社も破産申立てをする必要があるのか」の2点に関してご説明します。

この問題については、裁判所により、運用が違う点があることから、ここでは、東京地方裁判所破産再生部(民事第20部)での運用を前提に説明いたします。

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会社が破産する場合、代表者も破産を申立てる必要があるか

会社が破産する場合、特に中小規模の会社では、会社の代表者が会社の借入・取引の債務を連帯保証しているため、会社の代表者も多額の債務を負担することになることが通常です。

このような場合は、会社が破産すると同時に、その代表者個人の破産申立ても必要になります

しかし、代表者個人が上記のような連帯保証債務を負担しておらず、他に支払不能等の破産原因がない場合は、代表者の破産は申立てる必要はありません

代表者が破産申立てする場合、会社の破産の申立てが必要か

代表者が破産申立てを行う場合、その代表者個人が代表を務める会社の破産申立ても必要になるでしょうか。

特に会社の事業停止から一定の時間が既に経過し、特段の資産もなく、破産申立てに必要な資料が事業停止により散逸・処分されている場合などに問題になります。

会社の破産の申立てをせずに、代表者のみの破産の申立てだけであれば、簡単に手続きが済みます。

しかし、東京地方裁判所破産再生部では、このような場合、代表者のみの破産申立ては認めず、管財人を選任することを前提に、会社も破産申立てをすることを求めるのが原則です

その理由としては、(ア)会社の代表者は会社から委任を受けている立場のため、受任者である代表者が破産手続開始決定を受けた時点で、会社との委任関係は当然に終了してしまうので(民法653条2号。委任者または受任者が破産手続開始決定を受けたことが、委任関係の終了事由になっています。)、代表者個人のみが破産し、会社自体は破産をしないということになると、会社に代表者が存在しないという状態を生じさせてしまいます。

そうすると、会社は、代表者がおらず、清算が行われない状態になってしまい、債権者の権利行使が阻害されてしまいます。

また、(イ)会社の場合、事業を行っていた以上、一定の資産を有していたはずなのに、破産手続きが行われないと、それらの資産がどうなったかがわからないことになり、債権者の納得が得られません。

さらに、(ウ)特に小規模の会社の場合、代表者個人の財産と会社の財産との区別がなされていなかったりしており、このような場合、会社の財産の調査が行われないと代表者の個人の財産状態も把握できないことになってしまいます。

加えて、(エ)破産手続きが行われないと破産手続終了の証明が発行されず、債権者が確定申告の際、その債権を償却し、税額を減少させることができなくなります。

したがって、東京地方裁判所破産再生部では、代表者のみの破産申立ては認められず、当該会社についても、破産を申し立てられることが求められます。

そして、この場合は、代表者・会社について、共通の破産管財人が選任されるのが通常です。

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